予防接種について
細菌やウイルスなどの病原体からつくったワクチンを事前に接種しておくと、特定の病気に罹りにくくなります。
また、たとえその病気になったとしても軽く済みます。
こうしたワクチンは、感染症の原因となる各種の細菌やウイルスの病原性を弱めたり、それらを無毒化したりしてつくられます。
当クリニックでは、以下の接種を行っています。
インフルエンザワクチン
インフルエンザを予防する有効な手段の一つに、流行前のワクチン接種があります。
インフルエンザウイルスは毎年少しずつ性質を変え、異なるタイプが流行するので、予防接種も毎年行う必要があります。
接種してから効果が出るまでに約2週間かかり、その効果は約5ヶ月間持続します。
日本では、インフルエンザが例年12月~翌3月頃に流行するので、毎年10月下旬~12月に接種するのが適切でしょう。
肺炎球菌ワクチン
肺炎は高齢者の方や基礎疾患を持っている方などがかかりやすく、治りにくい傾向があります。
肺炎を予防するための有効な対策のひとつが肺炎球菌ワクチンの接種です。
肺炎の原因菌で最も多いのは、肺炎球菌(大人の肺炎の20~40%は、この菌が原因と言われます)と言われています。
肺炎球菌ワクチンを接種することで、肺炎球菌による肺炎などの感染症を予防するほか、重症化を防ぎます(※肺炎球菌ワクチンはすべての肺炎を予防できるわけではないので、接種したからといって、うがい・手洗い・口腔衛生など日常生活上の予防対策は怠らないでください)。
また、インフルエンザワクチンの接種を併せて行うと、肺炎予防の強化につながります。
そのため肺炎予防には、肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンを併せて接種することが推奨されています。
なお、高齢者を対象とした肺炎球菌感染症の予防接種は、「定期」予防接種です。
定期対象年齢(65歳)に該当し、過去に接種歴のない方、または60歳以上65歳未満で、心臓、腎臓、呼吸器または免疫の機能障害などにより、身体障害者手帳1級相当の方(過去に肺炎球菌ワクチンを接種した方は除く)は、「定期費用助成」の対象となります。
- 肺炎球菌ワクチンは接種後5年以内に再接種を行うと、注射部位の痛みが強く出るケースがあります。再接種を希望される方は、5年以上の間隔を空けるようにしてください。
小児定期ワクチン
小児の予防接種は、大きく定期予防接種と任意予防接種に分けられます。
定期予防接種は、予防接種法に基づいて行われるもので、各自治体が実施するものです。
この場合の費用は、公費負担となります。お気軽にご相談ください。
小児の定期予防接種
※表は横スクロールしてご覧ください。
ワクチンの種類 | 予防できる病気 | 定期接種が推奨されている期間と回数 |
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ロタウイルスワクチン 【生ワクチン】(1価(ロタリックス)もしくは5価(ロタテック)のどちらかを選択) | 感染性胃腸炎 | 生後6週から接種可能(接種の推奨は生後8週より)。1価を選択した場合は計2回(生後24週までに接種を終了)、5価を選択した場合は計3回(生後32週までに接種を終了)を接種。 |
B型肝炎ワクチン 【不活化ワクチン】 | B型肝炎 | 生後2~4ヵ月未満の間に2回、7~9ヵ月未満の間に1回の計3回を接種。 |
ヒブワクチン(Hib) 【不活化ワクチン】 | ヒブ感染症(細菌性髄膜炎 など) | 生後2~5ヵ月未満の間に3回と、生後12~15ヵ月未満の間に1回の計4回を接種。 |
小児用肺炎球菌ワクチン 【不活化ワクチン】 | 肺炎球菌による感染症(細菌性髄膜炎 など) | 生後2~5ヵ月未満の間に3回、生後12~15ヵ月未満の間に1回の計4回を接種。 |
四種混合(DPT-IPV)ワクチン 【不活化ワクチン】 | ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ | 生後3ヵ月~6ヵ月未満の間に3回、生後12ヵ月~18ヵ月未満の間に1回の計4回を接種。 |
BCGワクチン 【生ワクチン】 | 結核 | 生後5ヵ月~8ヵ月未満の間に計1回の接種。 |
MR(麻疹・風疹混合)ワクチン 【生ワクチン】 | 麻疹(はしか)、風疹 | 1歳~2歳未満の間に1回、小学校就学1年前の間(幼稚園や保育所での年長児)に1回の計2回の接種。 |
水痘ワクチン 【生ワクチン】 | 水痘(水ぼうそう) | 1歳~1歳3ヵ月未満の間に1回、1回目の接種から半年~1年程度の間隔を空けて1回の計2回の接種。 |
日本脳炎ワクチン 【不活化ワクチン】 | 日本脳炎 | 3歳~4歳未満の間に2回、さらに2回目の接種後に1年程度間隔を空けて1回、その後9~13歳未満の間に1回の計4回の接種。 |
二種混合ワクチン 【不活化ワクチン】 | ジフテリア、破傷風 | 11~13歳未満の間に計1回の接種。 |
HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン 【不活化ワクチン】 | 子宮頸がん | 主に中学1年生の女子が対象。使用するワクチンは2種類(2価、4価)で、どちらかを選択し、いずれも計3回の接種。2価では初回の接種から1ヵ月の間隔を空けて2回目、初回から半年の間隔を空けて3回目を接種。4価では初回の接種から2ヵ月の間隔を空けて2回目、初回から半年の間隔を空けて3回目を接種。 |
- 定期接種が可能とされる期間に接種できず、その後に接種するという場合は、任意接種扱い(全額自己負担)になります。
海外赴任前のワクチン接種
海外赴任の際には、事前にワクチン接種することで予防できる病気が少なくありません。
また、入国にあたって必ず接種が必要とされるワクチンもあります。
渡航先における健康を守るため、当クリニックでのワクチン接種をお勧めいたします。
ワクチンによっては免疫がつくまでに時間を要するものもありますので、海外渡航が決まりましたら、早めにご相談ください。
健康診断について
当クリニックでは、雇入時健診や定期健診、自費健診など各種健康診断を受け付けております。
ご希望の方は、電話予約または受付にて対応いたします。
自分自身の健康状態についてきちんと知り、適切な健康管理をするために、各種健診を上手に役立ててください。
健康診断で行われる主な検査項目
基本的な項目
- 既往歴の調査(これまでに罹患したことのある病気、服薬歴、喫煙習慣など)
- 身体診察(自覚症状や他覚症状の有無)
- 身長、体重、腹囲の検査
- BMIの測定(体重と身長に基づく肥満度)
- 血圧の測定
- 肝機能検査(AST、ALT、γ-GTP)
- 血中脂質検査(中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロールなど)
- 血糖検査(空腹時血糖、またはヘモグロビンA1c)
- 尿検査(尿中の糖、および蛋白の有無) など
詳細な項目
- 貧血検査(貧血の既往歴を有する者、または視診などで貧血が疑われる者)
- 心電図検査(高血圧や不整脈が疑われれる者)
- 眼底検査(血圧または血糖が基準値以上の場合)
- 血清クレアチニン検査(血圧または血糖が基準値以上の場合) など